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>あれはあれでいずれ感想を書きたいフェイバリットな映画だけど
と前の記事で書いたけど,
別にあたためておいても仕方ないので書いてしまおう。
以前、映画秘宝を意識した単発のムックでどこかのライターが
「カーペンターほど行き当たりばったりでテーマが一貫しない監督も珍しい」
という趣旨の,あまりにもトンチキな発言をしていて呆れた記憶がある。
邪悪な力が開放されようとしている恐ろしさ,このテーマばかりを
飽くことなく追い続けている監督が他にいるだろうか。
釣られたのか俺。
故・中島らもがEXテレビで
「カーペンターはハリウッド内で『ターミネーター2で火薬が余っちゃったから
アクション一本撮ってくれない?
』という使われ方をされている」
と言っていたが,いかにも信じられる話ではある。
でもB級ってのはイコールつまらない,駄作という意味ではないし
むしろ「パラダイム」などで見せたセンスは希有の才覚だと思う。
緑色のシリンダーにひとこと700万年前,と説明をつけるだけで
おぞましい雰囲気を作りだす的確な腕前といい,
ラストのSF方向に突き抜けていく余韻といい。
クトゥルーの異形どもがすぐそこまで来ているような空気を作る巧みさ。
で,あの延々続く、口から水鉄砲しながらの鬼ごっこは何じゃと言えば
観客が好きな時にトイレに立てるようにという親切心だ・・・と思う。
選りすぐった究極の食材でハンバーガーとポテトを作ってしまうような・・・
カーペンター作品にはそんな趣がある。
とは言え例外もあって,「物体X」と「ニューヨーク1997」は
製作背景、かかったお金などはよく知らないがえらく肩に力が入っている。
どちらも堂々の大作と言っていいだろう。
で,ニューヨーク1997。
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カーペンター作品にしては異例の重層的なフリの多さだ。
世界戦争の危機、タイムリミット、大統領拉致、囚人開放・・・。
大風呂敷てんこ盛りで,しかもそれらが有機的に噛み合っている。
しかも開放されようとしている邪悪なものは二つ。
「囚人300万人の一斉開放」「世界戦争」。
どちらを選んでもデッド,かつどちらかを選ばざるを得ない究極の二択。
この最悪のシーソー仕立てがやはり話のキモだろうか。
そして状況を打ち破るべく投入されるのが我らがスネーク・プリスキンだ。
タイムリミットは24時間を切っている。果たして世界の運命は・・・。
スネークが命惜しさに荒れ果てた夜のNYを走り回るごとに,
華やかなりし頃の摩天楼の下で荒稼ぎをしていただろう彼の過去が偲ばれる。
落ちぶれた男が落ちぶれた街に返り咲く。この裏ぶればこそ輝くものが素晴らしい。
借りは必ず返すぞこのボゲェという渇望が。
「エスケープfrom.L.A」はその点、ヒーロー然としすぎで少々物足りない。
というかあの西部劇風BGMはやり過ぎかと・・・。
「やべぇ,ストリート系とメタル忘れてた!」
とばかり作りなおしたのが「エスケープfrom.L.A」だと勝手に推測するけど
実際どうなんだろう。
おかまのミュージカル、キャビーのイエローキャブなど,芸の細かさが映えるので
モノに溢れた租界風LAより廃墟風NYの方が好みではあるけど。
デュークの最後の行動、あの胸を衝く生々しい哀しさもNYが地獄なればこそだ。
出入り可能な租界ではあの味は出せないのである。
何はともあれ,冒頭,真っ暗なマンハッタン島が姿を現すところと
旅客機が低空で滑り込んでいく場面には「あぁB級好きに生まれてよかった・・・」
と。

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クロニクル風というのか・・・
NYの来るべき歴史を、醒めた目で粛々と語るようなこの雰囲気
「LA」のド派手なアレンジも捨て難いけど

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