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腹なら生まれたときから立ちっぱなしだ
 
主人公がつぶやくこの一言がこの短編集のキーワードだろう。
食えないほどドン底ではない。テレビもあればママもいる。
なのにすべてが貧相で果てしなく荒んだ世界。
バブル崩壊後、百均ショップの世界を生きる我々には馴染みのものだ。
そして本書の登場人物達は皆、物質文明の生み出した
そういう今風底辺を漂うように生きる人びとばかり。
生まれつきテレビ漬けのテレテレ坊や(表題作より)にどんな高級な展望が望めよう。
「何でだよ?」という切実な訴えがどの作品からも聞こえてくる。
厨房の時分に表題作を読んだときは
「反逆カッコイイ!」と無邪気に頷いていたものだけど
この主人公はいつ,どこでこの物語を語っているのだろう。
酒場の隅で一人酔いつぶれ,一人つぶやくオッサンの物語なんじゃなかろうか。
酒焼けした顔につかの間の生気を浮かべて
おいちゃんな,これでも昔は輝いとったんやでぇ・・・と。
少年院のマラソン走者、知恵おくれの餓鬼大将、変質者扱いされた労務者・・・
しょっぱい人生だからこそ一瞬の輝きが美しい。
流されて消えていく者たちへのうつむき加減の愛がある。
 


ザ・ポーグス
無茶でヤケクソで陽気で悲しい
聞くたびシリトーを思い出す
ジョン・レノンの「労働階級者の英雄」も頭をよぎるんだけど
アンタ遊びなはれ酒飲みなはれ,という事で


長距離走者の孤独 (新潮文庫)長距離走者の孤独 (新潮文庫)
(1973/08)
アラン・シリトー丸谷 才一

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